さんじゅうまる。

どうしようもなく怠惰だから、ちゃんと考えて生きようと思います。

自分を、生きねば。

ひさびさに「風立ちぬ」を観た。
この作品は、ジブリ党の自分の中でもかなり上ランクの作品。
さて、どこがそんなに良いかというと・・・
「自分らしく、生きていかなくちゃ」ってことを
改めて気づかせてくれることだと言いたい。

 

この作品は、主人公の堀越二郎が生まれてから
ゼロ戦(?)をつくるまでが描かれている。
二郎は、幼い頃から思い描いた夢の飛行機を
作るために必死に生きるのだが、
その過程で二郎は何度も失敗したり、
海外視察で日本人という理由だけで差別されたり、
恋人が病に侵されてしまったりと、
たくさんの壁にぶつかる。それでも、
二郎は自分の意思を貫き進む姿がとても印象的。

 

特に心に残るのは、恋人「菜穂子」との生活。
菜穂子は、自分が病であろうとも二郎のそばに居ることを選び、
病の進行を二郎に気づかせないために朝は早く起きて化粧をし
顔色を隠すなど、その姿がけなげ過ぎて、愛おしい。
(俺も、こんな子と結婚したい)
それらの行動は、すべて二郎の夢を邪魔しないためであり、
その夢を支えていこうという心遣いの現れだと思う。
(こんな子、超絶理想的女子やろうが)
二郎も、その想いを悟っており、自分の夢の実現に真摯に向き合い続ける。
結局、ゼロ戦の完成とともにふたりは離れて暮らすことになるのだが、
二郎が夢を追いかけ続けれたのも、すべては菜穂子のおかげだと思う。
(悲しい結末だけど、俺もこんな子と結婚したい)

 

二郎が夢を追いかけ続けた姿からも、
その夢を支え続けた菜穂子の姿からも、
「自分らしく生きることの大切さ」を感じとることができる。
流されながら生きることは、だぶん簡単だ。
最近の世の中は、自分も含めて流れで生きている人が多いと思う。
社会から求められていることに対して正解をだす努力はする。
でも、その努力も結局は流れの中のひとつで、
出したその正解はどこまでいっても一般論。
そこに自分らしさという個性は、きっとない。
二郎や菜穂子は、自分の意思でしっかり「自分」を生きていた。
だからこそ、ゼロ戦のような世界に誇れるモノを生み出せたのだろう。
いつからかわからないけど、正解を求める癖が自分にもついている。
それでは、自分がやりたかった夢のゴールには到底行き着くことはできない。
ちゃんと自分と向き合い、自分の意思を、個性を持つことの大切さ。
そのことを改めて気づかせてくれるのが、
この「風立ちぬ」というすばらしい作品だと思う。


糸井さんは、この作品に「生きねば。」というキャッチコピーをつけたが、
自分だったら、“自分を、生きねば。”って書くだろうな。

 

https://instagram.com/p/4wfQPTpNEz/

ひさびさに観たけど、やっぱり素晴らしい。